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2012-03-29

インドネシア便り37回 介護福祉士国家試験を前に

1月29日に日本各地で介護福祉士の国家試験が実施される。2008年にインドネシアから来日した90余名の候補者が初めて試験に挑戦する。香川県の老人介護施設で働く3人に話を聞いた。

車酔いが心配
 坂出市の施設で働くルーシーさんは大きな心配事がある。自動車での移動に弱いので、車に酔い高松市の試験会場に当日万全な体調で行けるのか不安だ。だから会場に歩いて行けるホテルに泊まりたい。高松市の施設で働く友人のティタさんを誘い、一緒にホテルを探すことにした。
 昨年12月末、ティタさんとJR高松駅で合流し観光案内所でホテルについて聞いた。会場から徒歩10分くらいの所にホテルがあることがわかったが、駅や繁華街周辺の宿に比べ料金が高い。2人でそのホテルを見に行き空室があることがわかった。1泊6000円かかるが、それはこれまで3年半の努力を無駄にしない安心料だと思い予約した。試験会場も下見し、ほっとしたルーシーさんに笑顔が戻った。

ティタさんとルーシーさん1

ふつうの漢字を忘れてしまった
 ティタさんは施設で毎日20人のお年寄りを風呂に入れ、おしめを替える。正月は元旦から休まず8日連続で出勤した。2年前には過労で倒れ救急車で病院に運ばれたこともあるという。
 好きな食べ物はたこ焼きとうどんと刺身で、高松弁で喋り、お年寄りの言っていることもほとんどわかるようになった。福祉介護士の試験問題には一般の日本人でも読めない難解な漢字が書かれている。その漢字を覚えたらふつうに使う漢字を忘れてしまいましたと苦笑する。
 ティタさんと同じ高松の施設で働くヌリアさんは、3月に故郷のチレボンで結婚を予定している。相手は日本で勤務経験のあるバンドンに住む男性だ。試験に合格したら高松で今の仕事を続けながら、一緒に暮らしたい。しかし合否がわかるのは結婚式の後だ。将来が読めず、不安で気持ちが落ち着かない日々が続いているが、とにかく試験に受かりたい一心で毎日深夜まで受験勉強を続けているという。

ヌリアさんとティタさん2

みんなで合格を祈っています
 彼女らは1月29日に一発勝負の試験に挑戦する。一緒に来日した看護師候補は毎年受験できたが、介護福祉士候補は3年間の実務経験が必要なため今回が初めての受験だ。日本人でも合格者が半数という難関の国家試験に不合格だと滞在資格を失い帰国しなければならない。インドネシア人の看護師候補は5%未満しか合格できず、これまでに50人余りが日本を去った。介護福祉士候補のハードルも低くない。
 厚生労働省の試算では2025年に全国で介護職が70万人以上不足するという。高齢化が進み現在も日本人だけでまかなうことが大変だからこそ、日本とインドネシア両国が経済連携協定(EPA)に基づき多額の税金を使って始めた国策なのに、難解な漢字の壁を取り払わず試験で落として帰国させていいのか。
 「これまで各施設は多くの費用と時間を負担し、手探り状態で外国人介護士を支えてきました。お年寄りたちからとても頼りにされ、かわいがられているので、みんなで合格を願っています。今は祈ることしかできません」と施設の責任者は話す。
 日本の暮らしに慣れ、日本を知り、日本が好だからずっと暮らしたいという多くの人材を日本は簡単に追い返していいのか。日本側の危機感が足らないと思う。
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