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2011-08-12

2011年8月12日 第34回 ジャカルタで 

 限界を超えたジャカルタの道路

ジャカルタを走る二輪車と乗用車の道路占有面積が2011年末に道路の総面積を超え、交通が完全に麻痺する「グリット・ロック状態」になるとジャカルタ州政府が発表した。
インドネシアはこの8年間、年率6%以上の経済成長を続けているが、人口や車の激増で首都圏の交通事情は深刻化の一途をたどっている。経済的損失も年間5兆5000億ルピア(約53億円)に達すると運輸省は発表した。
2010年7月のインドネシアの新車販売台数は72%増の7万2030台と月間販売台数の記録更新が続き、ジャカルタだけでも二輪車が毎日892台、乗用車が236台増え続けている。乗用車の平均走行時速は、毎年1キロずつ遅くなり、現在は10~15キロまで落ちているという。
 ジャカルタの幹線道路は片側4~5車線あり立派だが、他の道路は車線がはっきりせず貧弱で、脇道も少ない。人口1000万に迫る東南アジア最大の都市なのに、地下鉄のような大量輸送鉄道がなく、公共交通はオンボロのバスに頼っている。

cars

中央の専用車線を新型のバスが走る「トランス・ジャカルタ」はバスの台数が足りず、乗客からは長く待たされたうえほとんど座れないなどと不満が多く、乗用車からバス利用に切り換えようという市民は少ない。
モノレールは10年ほど前に建設が始まったが、支柱が建っただけで工事が止まってしまった。水上バスも川底のゴミがスクリューにからまり、わずか数カ月で運休に追い込まれた。地下鉄は昔から日本のODA利用などで計画はあるが、何度も頓挫し工事が始まらず、「グリット・ロック状態」を招く大きな原因になっている。
行政は今回こそ抜本的な対策を考えているようだ。しかしパトカーの先導で渋滞した道路を走り抜けていく政府高官の車を見ていると、ジャカルタ市民は公共交通の恩恵を味わえないまま、車社会に窒息してしまう気がする。

 庶民に高層アパート購入熱

 これまでジャカルタ市内に建てられた高層アパートは、富裕層や外国人向けの高級なものが多かった。しかしこのところ、所得が向上している庶民を狙った手ごろな価格のアパートの売れ行きが好調だ。
 もともとインドネシアには高い場所には魔物が出るという伝聞もあり、高いところに住むのが苦手な人が多く、高層アパートより一戸建ての小さくても庭のある家が好まれていた。そのため都心部の高層住宅に住まず、車やオートバイで1時間以上かかる郊外に、長屋形式の平屋建てや2階建ての住宅を購入した。
しかし近年の慢性的な道路の大渋滞で通勤・通学の時間が読めなくなり、高所への恐怖を我慢せざるをえなくなったようだ。
 都心部から電車で15分ほどのカリバタ駅周辺には、靴工場だった18ヘクタールの敷地に3年前の2008年から19階建ての高層アパート10棟の建設が始まり、入居が始まっている。そしてさらに7棟も建設中で、完成予定の2012年には全体で3万人が入居するという。
約30平方メートルの標準的なタイプの価格は、2億3000万ルピア(約220万円)。2つの寝室とダイニングキッチンとシャワー室があり、インドネシアではまだ珍しい都市ガスが使われている。日本とは逆で、魔物への恐怖が影響しているのか、低層階より高層階の方が価格が安い。
2年前から販売が始まり、2010年末に17棟1万3000戸すべてが完売したという。「ローンが借りやすくなったので買った」、「人気が高い物件なのでまた貸しも簡単」、「通勤地獄から開放される」などと購入者の声も聞こえてくる。
とはいえアパートの敷地を一歩出ると、バスも電車も超満員というのが実情だ。政府が交通インフラを早急に整備しないと、快適なマンション暮らしは難しく、入居者に大きな落胆が拡がるかも知れない。

 ジャカルタの通勤電車

 慢性的な交通渋滞のジャカルタで、郊外から電車で通勤する人が増えている。とはいえ鉄道網はオランダ植民地時代に建設されて以来ほとんど延びておらず、単線区間もあり貧弱だ。
ジャカルタ首都圏の人口は1500万人を超え東南アジア最大だが、地下鉄や新しい路線は計画段階のまま、鉄道が通勤の足として需要を満たしているとはお世辞にも言えない。
鉄道会社は都営地下鉄や東急電鉄など日本使われていた車両を多数導入し、冷房付きの急行を走らせサービスの向上を目指している。運賃は各駅停車に比べ5倍以上もするが、経済発展で所得が向上している乗客からの人気は高い。最近は2倍の運賃の冷房付きの各駅停車も走るようになった。
 しかしその差別化のあおりを受け、従来からある各駅停車の本数が減った。通勤電車なのにいつ来るか分からず、車内は汚れ、扇風機が壊れているなど乗り心地は置き去りにされている。

men on the train

満員の蒸し暑い車内に外気を入れるため、窓だけでなくドアも開けっぱなしで走る。1時間以上乗っても運賃は2000ルピア(約19円)ほどの安さだが、乗客は運転室や車掌室だけでなく、ドアにぶら下がり、屋根の上にまで乗っている。
屋根から落ちそうになると必ず誰かが支えてくれるが、感電事故はときどきある。しかし電車通勤者が増える前から必ず座れ、風を浴び移り変わる景色も眺められる「伝統の座席」とも言える。
違法行為なので当局の取り締まりがたまにある。消火作業に使うような太いホースでの放水だ。それは屋根の上の乗客だけでなく、車内に乗っている通勤客も一緒にビショビショに濡らしてしまう。

m o t t-2

インドネシア製オンボロ車両の乗客は「人間扱い」されていないようだ。
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