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2011-08-12

2011年7月30日第33回 ムラピ山の噴火と山の番人

昔いくつものイスラム王国が栄えたジャワ島では、今でも王家の血を引くスルタン(君主)が民衆の尊敬を集めている。クラトン(王宮)内で暮らすだけでなく、政治権力を握ることもあり、ジョグジャカルタのハメンクブォノ王家の9世はインドネシアの副大統領を務めたことがあり、10世は現在州知事を兼ねている。
 2010年10月末に起きたムラピ山(2968m)の大噴火で、9世と10世の二人のスルタンの従者として長く仕えたマリジャン氏(83)が火砕流に巻き込まれ亡くなった。
2006年にムラピ山の火山活動が活発化したとき、避難勧告が発令された後も、マリジャン氏は王家や民衆のために火口に近づき連日祈りを捧げ続けた。その姿をメディアが報じ、山の精霊と交流できる「ムラピ山の番人」として一躍インドネシア中の脚光を浴びカリスマ的存在になっていった。
多くの企業がイメージキャラクターになってほしいと懇願し、最終的にジャムー(インドネシアの伝統漢方薬)のテレビCMに出演するようになった。大きな顔写真が街頭の看板に貼られ、政党の活動に利用されたこともある。
写真33回

ムラピ山の中腹にある自宅で発見されたマリジャン氏の遺体は、額を床につけたまま祈るような格好だったという。「山の番人」が残っているから大丈夫と村に留まった人や取材に行った記者らも巻き添えになってしまった。葬儀の模様はテレビで全国中継され、多くの人が死を悼んだ。
インドネシアには100以上の活火山があり、最も危険なのがムラピ山だとも言われる。その後も断続的に噴火が続き、138年ぶりという大噴火も発生し多くの犠牲者が出た。ジョグジャカルタの町や世界遺産のボロブドゥール遺跡も火山灰で覆われ、空港もしばらく閉鎖された。
王家を慕う民衆の中には「山の番人が亡くなったから山が怒り大噴火が続いた」と神秘的な因果を信じる人も多い。
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